「時代とFUCKした男」加納典明(9)動物王国移住を決め、まずアラスカに行った「かっこつけ人間」のこだわり
小説、ノンフィクションの両ジャンルで活躍する作家・増田俊也氏による新連載がスタートしました。各界レジェンドの一代記をディープなロングインタビューによって届ける口述クロニクル。第1弾は写真家の加納典明氏です。
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加納「さっきも言ったように俺は大抵見切るんだよ。相手を見て『こんな感じかな』『こういうところが勘どころだな』とか、見切りを持ってカメラのシャッターを押す。その感応能力っていうか、感知能力というか、俺の感性ってのは、やっぱり写真で育てたわけだよな。そこで判断をしていくと、あの人はちょっと俺、わかんなかったわけだよ。俺にしては非常に珍しいんだけど。女性も含めて、俺は写真家としての感応能力で見切ってやってきた。写真においては文句なしの世界をやってきたと思ってる。それなのにムツゴロウさんというのは俺の能力で、よくわからなかったんだ。内面的にいえばそれが大きなきっかけだった」
増田「最初のその雑誌取材は加納さんの単独の撮影仕事で王国へ行った?」