東京五輪「裏金」疑惑 日本スポーツ界築いた“信頼”水の泡
「ジャパンよ、おまえもか!」という声が聞こえてきそうだ。
英紙ガーディアンは11日、東京五輪招致委員会側が招致活動に絡み、当時国際オリンピック委員会(IOC)委員だった国際陸連のディアク前会長の息子が関係するシンガポールの口座に約130万ユーロ(約1億6000万円)を支払った疑いがあると報じた。
これを受け、ディアク前会長のドーピング隠蔽をめぐる汚職事件を捜査中のフランス司法当局は、2013年7月と10月に「東京五輪招致」の名目で日本の銀行から280万シンガポールドル(約2億2300万円)が前会長側に振り込まれたことを公表した。
日本オリンピック委員会の竹田恒和会長は「我々はフェアに招致活動をした。問題はない」と反論したが、ここまで金銭の授受が明らかになった以上、日本がカネで「五輪開催」を買ったと言われても仕方ない。
日本は、88年名古屋、08年大阪、16年東京の五輪招致に失敗。同じ過ちを繰り返すわけにはいかない安倍晋三首相は、自らアラブ諸国を回って支援を呼びかけ、招致演説で福島第1原発の汚染水を「アンダーコントロール」と言って世界を欺いた。その後も原発処理は遅々として進まず、汚染水はタレ流されている。