ロッテ・涌井と電話で話をしたら…
教え子のロッテ・涌井の状態がいい。
昨季は15勝で、西武時代の2009年以来3度目の最多勝を、大谷(日本ハム)と並んで獲得した。今季も開幕から4月末までに5勝を挙げた。その後は1カ月間以上勝利から遠ざかっているものの、2試合続けて完投するなど内容は悪くない。現在5勝3敗で、リーグ4位の防御率2.59。西武からロッテにFA移籍して3年目、好調の要因は何か。久しぶりに、涌井に電話してみた。
FA1年目の14年シーズンまでは、右肩と右肘の慢性的な痛みと闘いながら投球していたという。一時は手術もささやかれたが、回避して治療を続けていた。これが14年オフで一段落し、不安が消えたことが一番だと話していた。
痛みをかばうため、近年は肘が下がってシュート回転した球を痛打されていた。投球時の左肩の開きも、良かった時と比べて0.2秒から0.3秒ほど早く、胸のマークが相手打者に早く見えてしまう。ボールの出どころが見やすくなっていた。痛みがなくなったことでこれが改善され、コントロールが良くなった。怖さも消えたことで、下がっていた肘が上がり、腕を真上から振り下ろせるようになった。低迷期は140キロ前後だった直球が、140キロ台半ばから150キロが出るようになった。スッポ抜けていたフォークボールもよく落ちている。