平幕にまさかの土 稀勢の里に「横綱は時期尚早」と評論家
「結局、稀勢の里は体格と勢い任せで相撲を取っているということが、ハッキリ分かりました」
こう話すのは、相撲評論家の中澤潔氏だ。
初日から4連勝で5日目を迎えた大関稀勢の里(30)。序盤を乗り切って綱取りに弾みをと思われたが、平幕の栃煌山(29)に突き落とされ、土俵下に転げ落ちたのだ。
得意の左四つを封じられ、攻めきれないまま今場所初黒星。支度部屋では口も重く、「切り替えて頑張りたい」としかしゃべらなかった。唯一の救いといえば、その直後の取組で横綱白鵬(31)も宝富士(29)に敗れ、こちらも4勝1敗となったことだろう。
横綱審議委員会が掲げる今場所の昇進条件は、「14勝1敗以上で優勝」。白鵬との直接対決を含め、残り全ての取組で勝てば昇進は可能だ。
しかし、綱取りのかかった大事な場所で、こうも簡単に平幕相手に取りこぼす大関を昇進させていいものか。冒頭の中澤氏は「今場所の横綱昇進はないと思った方がいい」と、こう続ける。