稀勢の里も自滅 モンゴル勢の牙城崩せずファンどっちらけ
賜杯も綱とりも、すべてパーだ。
13日目、結びの一番は10勝2敗の大関稀勢の里(30)と横綱日馬富士(32)。勝てば初優勝、そして昇進に一歩前進したはずが、まさかの完敗。稀勢の里は立ち合いでもろ差しを許すと、こう着状態に我慢できなかったのか左腕を巻き替えて強引な投げ。しかし、胸をつけていた日馬富士に一気に攻められ、寄り倒された。
3つ目の黒星はもとより、内容が内容だ。綱とりは完全消滅したといってもいい。仮に相撲協会や横綱審議委員会が未練を見せたところで、今の稀勢の里を「横綱にふさわしい力士」と認めるファンは皆無だ。
その稀勢の里の前の取組で、白鵬に負けた豪栄道もブザマだった。立ち合いで勝手に足を滑らせ、土俵にしりもち。決まり手は13年5月場所以来の「腰砕け」というのだから、ファンはどっちらけである。
大相撲は地位にふさわしい内容が求められる。この日の両者が果たして「大関らしい負け方」だったのか、言うまでもない。日本人力士を代表する2人が揃って自滅では開いた口がふさがらない。
いくら稀勢の里らに声援が集まろうと、最後に勝つのは結局、勝負強いモンゴル人力士。ここ一番で必ず負ける日本人力士は、彼らの勢いが弱まるまで、息を潜めてじっとしているしかない。