巨人の闇に迫った記者語る“原氏1億円恐喝事件”取材秘話
プロ野球巨人の野球賭博事件で、賭博開帳図利ほう助と常習賭博の罪に問われた元選手の笠原将生被告が、今月5日の公判で検察側に懲役1年2月を求刑された。24日には警視庁が、元選手を客としていた胴元役を相手に賭博を開いたとして、賭博開帳図利の疑いで指定暴力団山口組系組幹部の男3人を逮捕。騒動は暴力団にも波及している。近年、不祥事が相次ぐ巨人の闇に迫るスポーツノンフィクション「巨人軍『闇』の深層」(文藝春秋 780円+税)が発売された。選手を野球賭博へと導いたといわれる2人の人物への直接取材をはじめ、清原和博元選手の巨人時代のクスリ人脈や黒い人脈、そして原辰徳前監督の過去の女性問題を巡る恐喝事件、さらに現役選手を巡るスキャンダルまでをつづっている。各事件の真相を暴きながら、伝統球団が自壊を始めたと指摘する著者で週刊文春記者の西﨑伸彦氏に話を聞いた。
■ブラック・ジャックのような「コンプラ軍団」
――なぜ巨人ばかりが不祥事を起こすのですか?
「球界の中で巨人は特別な存在。周囲の見方や選手のプライドなども含めると、他球団と違うところは多いんです。周りの環境も大きい。スポンサーの人たちであったり、サポートの仕方であったり。他球団もトラブルはあると思いますが、巨人の方が目につくというのもあるでしょうね」