放出したヤ軍は後悔 インディアンス“奪三振マシン”の正体
ニューヨークのヤンキースファンに、「ヤツがいれば……」とタメ息をつかせているのがワールドシリーズで王手をかけたインディアンスの中継ぎ左腕アンドリュー・ミラー(31)だ。
29日(日本時間30日)、第4戦の七回から2イニングに登板。八回にゾブリストから、救援投手のプレーオフ記録となる29個目の三振を奪った。
プレーオフは目下9試合に登板して2勝1セーブ、防御率0.53。計17回の登板での新記録達成だから、いかに奪三振率が高いかがわかる。
昨季はヤンキースで60試合に登板して3勝2敗、36セーブ。計61.2回で100三振を奪い、ア・リーグの最優秀救援投手に選ばれた。今季もヤンキースで44試合に登板して6勝1敗、9セーブとフル回転したが、トレード期限間際にインディアンスへトレード。ヤンキースはシーズン終盤、追い上げただけに、ファンは「ミラーを放出しなければ、プレーオフに行けたかもしれない」と地団駄を踏んでいるのだ。
15年からの4年契約で、年俸は約9億4000万円。リリーフ投手ながら破格の給料を手にしているのは奪三振率の高さに尽きる。12年以降は5年連続で投球回数を上回る三振を奪っている。サイド気味のフォームから繰り出す150キロ台のストレートと、ストレートと軌道がほぼ変わらないスライダーで打者を手玉に取る。左腕ながら右打者にも強いのが特徴だ。
06年のドラフト1巡目指名でタイガースに入団。マーリンズ、レッドソックス、オリオールズ、ヤンキースと渡り歩いた苦労人でもある。