育成重視どこへ? 阪神“札束攻勢”でオリFA糸井獲りの愚
「日本ハムと広島の日本シリーズは、エースが大リーグに行ったチーム同士の対戦だった。ダルビッシュや前田がいなくなったのに、自前で選手を育てることによってプロ野球の頂点を争った。その直後だというのに懲りないというか、学習しないというか……いや、今度こそ大丈夫だと本気で思っているのかもしれません」
プロ野球ファンの吉川潮氏(作家)がこう言った。「懲りずに学習もしない」とは、ベテランのFA選手に法外な札束を積む気でいるプロ球団のことだ。
35歳の糸井(年俸2億8000万円)を「4年18億円」ともいわれる金額で引き留めようとするオリックスがオリックスなら、同じく4年契約で取りに行こうとする阪神も阪神だ。
オリックスは2年前のオフ、FA選手を漁りまくった。当時、31歳だったエース・金子を「4年20億円」でFA残留させたうえ、32歳だった中島と「3年最大12億円」、34歳のFA小谷野と「3年3億円」で契約した。「30億円補強」でオフは圧勝も、しかし肝心のペナントレースは昨年5位、今年は最下位と振るわなかった。金子に至っては右肩の故障もあって昨年も今年も7勝止まりだ。