巨人打線をキリキリ舞い 楽天・安楽は“思考する一匹狼”
かつての甲子園の寵児が、巨人打線をキリキリ舞いさせた。
22日、楽天の高卒3年目・安楽智大(20)が、巨人との練習試合に先発。4イニングを投げ、無安打3三振の快投を見せた。
「直球のコントロールが良かった」
そう話した安楽。この日の最速は147キロだったが、甲子園の活躍を知るファンには物足りないのではないか。愛媛の済美高時代はMAX154キロを誇り、2年生だった13年のセンバツでは決勝まで一人で投げ抜いた。投じた球数は実に772球。これには日米両国で「酷使しすぎだ」と議論を呼んだ。その反動でヒジを故障し、プロ入り後もケガの影響に悩まされていた。
球団関係者は「本人は以前のような投球を求めていませんから」と、こう続ける。
「現在の安楽が目指しているのは、直球のキレとコントロール、変化球の精度です。野球アタマが非常にいい選手で、常に何かを考えながら練習している。オフにボディービルダーに師事して下半身を鍛えたのも、あくまで投球時の安定感を増すため。それも誰かに言われたからではなく、全部自分で考えた上で判断している。ウチの選手は練習中など、固まって行動する者が多いが、安楽は決して群れない。大体、いつも一人で黙々と汗を流しています」
開幕ローテ入りが濃厚の安楽。今季を飛躍の年にしたい。