WBC球対策“奥の手”? メジャー選手使う「滑り止め」とは
台湾プロ野球選抜にはソフトバンクやDeNAをクビになった連中も名を連ねた。練習試合とはいえ、そんな相手に17安打8失点と火ダルマになったのが28日のWBC日本代表投手陣だ。
3回を投げて6安打3失点と打ち込まれた先発の則本(楽天)以下、日本代表の投手陣は総じて球が高かった。
それもこれもプロ野球の統一球より大きく、重く、滑りやすいWBC球の影響だ。
彼らはキャンプ中はもちろん、選手によっては自主トレからWBC球を手にしていた。対処する時間があったにもかかわらず、しかし、実戦では思うように操れなかった。
ブルペンで投げるのと、実戦の中で打者に対するのとでは状況もかかる負担も異なる。練習ではできても、いざ、実戦になると抑えが利かず、球が上ずってしまうのだ。
「練習試合や強化試合はともかく、本番では奥の手を使う以外に方法はないでしょうね」と、メジャー関係者がこう言った。
「メジャー公認球と同じWBC球は、表面がカサカサして大きく、とにかく滑りやすい。ボールが上ずるので、とにかく低めに投げようとして指先に力が入り、前腕の筋肉が炎症を起こした投手もいるくらいです。球が滑りやすいのはメジャーリーガーも一緒。彼らは主にシェービングクリームを使うことで対処しています。もちろん指先に異物をつけて投げるのは不正投球なので、こっそりと首筋やグラブに塗りつけ、それとなく触ってからボールを握る。中には一缶分のシェービングクリームをすべてグラブに染み込ませたり、マウンド上で大量の虫が首筋に群がってバレるんじゃないかと冷や汗をかいた投手もいますけどね(笑い)」
低めに投げようと無理をして故障するくらいなら、メジャーリーガーも使う「滑り止め」を利用した方がいいというのだが。