ヘント久保裕也<下>「まだまだ先に期待が持てる」
目下、売り出し中の日本代表FW久保裕也は、高校生Jリーガーだった2012年、京都の一員として元日の天皇杯決勝(FC東京戦)で得点を決めている。各年代別の代表でも活躍。10代の頃から将来を嘱望された点取り屋だった。今どきの若者とは違い、ストイックさと強烈な向上心が持ち味。13年夏、19歳で海を渡り、スイス1部ヤングボーイズに移籍した。自宅マンションにはカーテンもなく、無機質な部屋の壁にドイツ語を貼って必死に勉強に励んだという。すべてはサッカーのためだ。ベルギーに足を運んだサッカージャーナリスト元川悦子氏による現地直撃第2弾である。
「スイスに行った時は日本語しか話せず、ゼロからのスタートだったので必死でしたね。ベルギーに来てからはドイツ語を話す人もいるし、割とコミュニケーションは取れています。ベルギーはスイスよりも全然寒くないし、適応力については問題ないです」と本人も余裕をのぞかせる。
スイスでの3年半はザッケローニ、アギーレ両日本代表監督にA代表招集を見送られ、リオ五輪も直前になってクラブが難色を示し、出場断念を余儀なくされた。日の丸は縁遠いものだった。