著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

ヘント久保裕也<下>「まだまだ先に期待が持てる」

公開日: 更新日:

 しかし、昨年11月のW杯最終予選サウジアラビア戦(埼スタ)で本田圭佑(ミラン)の定位置の右MFで先発に抜擢されると状況が一変。「世代交代の一番手」と目されるようになった。

「今季前半のヤングボーイズでは、2ケタゴール(カップ戦含む)を決めましたが、スイスでは苦しい時期も長かったですね。そういう時はあまり気にせず、ただトレーニングを一生懸命にやる――ことを常に心掛けました。すべては準備次第です。それはヘントでも日本代表でもそう。僕の場合、ゴールという結果を残さないと記事にならないし、日本の人に気付いてもらえない。とにかく結果を出し続けられるように頑張ります」と彼は淡々としてこう言う。

 地に足の着いた立ち居振る舞いは、若い頃からビッグマウスといわれた本田とは対照的だ。もっとも「マイナークラブから成り上がっていく」姿は共通している。

 本田も欧州で2番目のCSKAモスクワでブレークしたが、伸び盛りの久保も新天地ベルギーで移籍後、6戦4発と凄まじい飛躍を遂げている。


「先月11日のオイペン戦の時は、自分がパッサーになっている感じで本来の点取り屋からは、かけ離れている印象を持ちました。でも19日のスタンダール戦では、確実にボールを受ける回数が増えて、パスの受けどころも分かってきた。短期間でこれだけ変われるってことは、まだまだ先に期待が持てるってこと。チームにうまくフィットしていって、自分を成長させていきたいです」

 長年、チームを牽引してきた本田を超えるべく、久保には代表でも周囲との連動性を高め、傑出した得点能力を発揮できる環境を整えてもらいたい。彼ならば、日本の新たな看板になれるはずだ。

(この項おわり)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情