指揮官は不利と言うが 主将・長谷部の離脱はプラスの根拠
W杯最終予選のUAE戦(日本時間24日午前0時半キックオフ)を翌日に控えた日本代表のハリルホジッチ監督が、22日に試合前日の公式会見に臨み、主将MF長谷部の戦線離脱について「少し不利に働くと思う」とコメント。主将候補を聞かれると「経験が必要となる試合。何人かのキャプテンが必要」と明言を避けた。誰が主将に指名されようと指揮官が「彼のいない日本代表は考えられない」と全幅の信頼を寄せる長谷部がいないことには変わりない。「不利に働く」は本音だろう。
もっとも、現地で取材中のサッカーダイジェスト元編集長の六川亨氏は「長谷部不在でチームは引き締まった」と前置きし、さらにこう続ける。
「W杯予選での日本代表の目標は、いうまでもなく《本大会の出場を決める》だが、たとえば攻撃陣の2番手あたりの中には《自分がゴールを決めて代表チーム内の序列を上げたい》と個人をアピールするために自分勝手なプレーに走る選手が出てくる。そうなると攻守のバランスが崩れるなどマイナス面が出てくる。しかし、絶対に負けられない大一番・敵地でのUAE戦の前に頼れる主将がいなくなった。その危機感がプラスに働き、練習場での選手同士のコミュニケーションの取り方、プレー中の連係の精度などを見ていると、チームは非常に良い方向に進んでいると思います」
会見後に前日公式練習が行われ、選手から少し離れたところで練習を見守ったハリルは、もしかして気付いていないかもしれないが、長谷部の離脱は「吉」なのである。