衝撃デビューも遠い過去 「モンゴルの怪物」逸ノ城の凋落
ケーキやお菓子が大好きというだけあって、デビュー当初は199キロだった体重は一番重かった時期で214キロ。本人も「200キロを超えたら人間じゃない。馬ですよ」と嘆いていた。昨年9月場所は椎間板ヘルニアで休場。デカくて稽古嫌いなのだから、足腰への負担も大きい。
現在は禁酒やトレーニングで197キロまで減量。1月場所は11勝4敗と後半まで優勝戦線に残った。以前に比べて粘り腰も出てきたが、やはり上位の壁にはね返され続けている。
「『巨体だけど機敏』は昔の話。足腰を痛めている今は身軽な相撲など期待できない。対戦相手も腕力に長ける逸ノ城と組まないなど、対策も立てられている。腰が高いので、懐に潜り込まれると何もできないのも欠点です。スタミナもないので粘られると弱いと、八方ふさがり。それでも体格が体格だけに、下位の力士にはそう負けないが……」(相撲記者)
少年時代は本物の遊牧民として、馬で草原を走り回っていた逸ノ城。もう一度、土俵で輝けるか。 (水・金曜掲載)
▽いちのじょう・たかし
●本名はアルタンホヤグ・イチンノロブ
●1993年4月、モンゴル国アルハンガイ県出身
●193センチ、197キロ
●最高位は西関脇
●相撲強豪校の鳥取城北高に留学。高校時代は照ノ富士と同部屋で過ごした時期もあった