来日前から貴乃花に心酔 貴ノ岩がひと皮むけた理由
国産力士にこだわっていた貴乃花部屋で、唯一のモンゴル人力士。それだけに08年の入門当時は「日本人力士を育てられないから、すぐに出てきそうなモンゴル人力士を獲得したんじゃないか」といわれていたが……。
「実際はそうではない。貴ノ岩は『将来は相撲取りになる』という夢を抱いて、16歳で相撲強豪校の鳥取城北高校に留学。母国にいる時から、憧れの力士は貴乃花だった。さらに鳥取城北高校は毎年、貴乃花部屋で合宿をしていた縁もあって、入門した」(角界関係者)
8歳で母を、来日して3カ月後に父も病で亡くしたという苦労人だ。それでも寡黙に努力を続け、入門4年目の12年7月場所で十両に昇進。貴乃花親方が育てた力士として、初の関取となった。
しかし、十両で足踏み。14年1月場所で新入幕を果たすも、その後は十両に3度転落した。昨年からは幕内に定着し、今年1月場所では白鵬を破って金星を挙げ、11勝4敗と好成績を残した。
ある親方は「貴乃花親方が正統派の取り口を叩き込みすぎたのか……」と、こう続ける。