入門3年目で初金星 北勝富士は現役きっての理論派力士
今場所3日目は横綱初挑戦にして、鶴竜を撃破。デビューから15場所目での金星は、幕下付け出しを除けば14場所目の小錦(元大関)に次ぐ、史上2位のスピード。日本人力士限定では、1991年の貴花田(当時=元横綱貴乃花)の20場所目を塗り替える最速記録だ。今場所は大関高安も餌食にし、1横綱2大関を破る活躍を見せている。
埼玉県生まれで入間市の相撲道場出身。当時から「将来は横綱になる」という夢を抱いており、相撲強豪校の埼玉栄高、日体大を経て、2015年に八角部屋に入門した。
大学2年時に学生横綱になり、幕下付け出しの資格を得るも卒業を優先。15年3月場所に前相撲でデビューした。それからはトントン拍子に出世を重ね、十両もわずか2場所で通過。昨年11月場所に新入幕を果たした。
角界では「今の相撲のまま順調に成長すれば、間違いなく大関、横綱になれる逸材」と言われている。学生相撲出身者にありがちな小手先の相撲ではなく、正統派の押し相撲。かといって突き押しだけの力士ではなく、大学時代は四つ相撲も得意だった。前みつを取って前に出る相撲には定評がある。