山根会長“死んだふり”辞任 ボクシング界に根強い院政恐怖

公開日: 更新日:

 仮に日本連盟が体制を一新したとしても、山根会長が長きにわたって積み上げてきた力と影響力を使って、反撃に打って出る可能性がある、と懸念するのである。

 現に再興の会が、「辞任の中身がハッキリしない。理事や会員としては残るのか」とする疑念に関しても、同じ日に会見した日本連盟の吉森照夫専務理事は、「理事を含めての辞任というのを私は確信している」という言い方をするにとどまった。連盟の副会長を兼ねる吉森専務理事ですら、山根会長が辞任する職務の範囲を正確に理解しておらず、関西ボクシング連盟の理事長の肩書についても、「理事長、関西連盟の会員資格を辞めるとは聞いていない。それは関西連盟が考えることですから、日本連盟にその権限はない」と曖昧にした。生き返る余地があるということだ。

 山根会長は辞任表明前の一部テレビ局の取材に「告発者側と戦う? やります、やります。わたしも人間ですから、法律にのっとってやります」と法的手段で対抗する構えを見せるなど、ファイティングポーズを取っている。

 しかも午後5時半に自宅へ戻った際は、報道陣に向けて2本指を立てる謎のピースサイン。翌9日の毎日新聞は、このピースサインが「会長と理事の2つを辞めるということ」と山根氏が語り、会長と理事を辞め連盟も退会する意向を明らかにしたと報じたが、山根氏がこのままおとなしく引き下がるつもりがないことだけは間違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ