日ハムが高校野球元コーチをスカウトに「アマ採用」の背景
異彩を放っている。
今オフ、育成重視という従来の方針から転換し、積極補強を敢行している日本ハムが“裏方”にもメスを入れた。桐蔭学園高硬式野球部の元コーチで同校職員の坂本晃一氏(51)をスカウトに起用するというのだ。
坂本氏はプロ未経験者。日ハムは、このアマ人事を得意としている。大渕隆スカウト部長(48)は、日本IBMから県立高の教諭を経てスカウトに就任。今オフからファーム総合コーチとなった原田豊スカウト(60)は、社会人野球の選手と監督、母校の柳井高監督を経てスカウトとして“入団”した。
「プロ野球のことはプロのOBが一番よく分かる」
そんな考えが根強い世界で、しかもプロのセカンドキャリア問題も絡む。OBを差し置いて“素人”が球団に入ってくれば、OBや選手の不満は募るだろう。それでも日ハムはお構いなし。なぜか。
「プロ出身者だけが優秀なスカウトやコーチになるとは限らない。未経験でも、育成やアマ野球界の知識、見聞に長けた人なら編成面や指導面で生きる可能性もある。また、人脈やコネがはびこるプロ野球界の悪しき慣習にも縛られずに済みます」とは、ある球界関係者だ。