内海と長野を戦力外に…原“全権”監督の大ナタは理解できる
FAの人的補償で内海哲也(36)を西武に、長野久義(34)を広島に流出させた巨人が批判にさらされている。矛先は原辰徳監督(60)にも向いているようだ。3度目の登板となった今回、球団から編成面の権限も託されている。メディアでは仰々しく「全権監督」と報じられているから、2人の功労者を事実上の戦力外としたのは原監督の判断だとファンに受け止められているのだろう。
その見方は間違っていない。そもそも、チーム編成のすべてを一手に握る本当の意味でのGM職は、日本球界にはまだ定着していない。コーチ人事やトレード、ドラフトも監督の意向が優先されるのが実情で、多くの監督が実質的には「全権」を持っている。内海も長野も成績、年齢的に過渡期を迎えているのは事実で、5年ぶりの優勝が至上命令とされる今季の巨人では微妙な立場だったと言っていいだろう。
そうはいっても、生え抜きの功労者だった内海と長野を切るのは勇気のいること。ファンの反発を含めて、さまざまなリスクが生じる恐れがある。原監督はそれを平然とやってのけた。私は素直に、「やるな」と感心している。