著者のコラム一覧
立岩陽一郎ジャーナリスト

NPOメディア「InFact」編集長、大阪芸大短期大学部教授。NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て現職。日刊ゲンダイ本紙コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」はじめ、「コロナの時代を生きるためのファクトチェック」「トランプ王国の素顔」「ファクトチェックとは何か」(共著)「NHK 日本的メディアの内幕」など著書多数。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」に出演中。

「日本語でお願いします」とねだる記者の姿は滑稽である

公開日: 更新日:

「この件で彼ら(日清側)と話し、彼らは謝罪した。私が褐色なのは明らか。彼らがホワイトウオッシングを意図したとは思わないが、次に私を描く時は、まず私に話して欲しい」(筆者訳)

 彼女はこの問題に明確な意識を持ち、それをスポンサーにも伝えていたのだ。そして、BBCなど欧米のメディアはこの言葉を報じている。それが普通だろう。なぜ、あえてこの部分を取り上げなかったのか?

 本紙日刊ゲンダイで、錦織選手の記者会見に関心を寄せない欧米メディアの記事が掲載されたが、それにつながる問題を感じる。日本のスポーツ記者は社会問題を極力避けようという意識が働くのではないか。この誤報は、そう思われても仕方ない。また、日本の記者が日本語で質問するのは仕方ないとして、会見で「日本語でお願いします」とねだる記者の姿は不快を超えて滑稽でさえあった。流暢な英語で答えるか、語彙が限られていても日本語で話すのか、それを選ぶのは大坂選手だ。

 ちなみに、大坂選手が欧米のメディアでも高く評価されているのは、記者会見での受け答えにある。「humble=つつましい」と評価される。常に対戦相手への敬意を忘れず、自らを低くおいて語る。その姿に世界中の人々が共感を覚えている。実際にはそう感じている日本人のファンも多いはずだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末