「日本語でお願いします」とねだる記者の姿は滑稽である
「この件で彼ら(日清側)と話し、彼らは謝罪した。私が褐色なのは明らか。彼らがホワイトウオッシングを意図したとは思わないが、次に私を描く時は、まず私に話して欲しい」(筆者訳)
彼女はこの問題に明確な意識を持ち、それをスポンサーにも伝えていたのだ。そして、BBCなど欧米のメディアはこの言葉を報じている。それが普通だろう。なぜ、あえてこの部分を取り上げなかったのか?
本紙日刊ゲンダイで、錦織選手の記者会見に関心を寄せない欧米メディアの記事が掲載されたが、それにつながる問題を感じる。日本のスポーツ記者は社会問題を極力避けようという意識が働くのではないか。この誤報は、そう思われても仕方ない。また、日本の記者が日本語で質問するのは仕方ないとして、会見で「日本語でお願いします」とねだる記者の姿は不快を超えて滑稽でさえあった。流暢な英語で答えるか、語彙が限られていても日本語で話すのか、それを選ぶのは大坂選手だ。
ちなみに、大坂選手が欧米のメディアでも高く評価されているのは、記者会見での受け答えにある。「humble=つつましい」と評価される。常に対戦相手への敬意を忘れず、自らを低くおいて語る。その姿に世界中の人々が共感を覚えている。実際にはそう感じている日本人のファンも多いはずだ。