元スピードスケート五輪銅 山中宏美さんは銭湯でヨガ講師
■実はスケートが嫌いだったんです
山中さんは、室蘭市のお隣、白老町生まれ。3歳でアイススケートを始めた。
「姉、兄、私、妹2人の5人きょうだいで、一番ドンくさいのが私でした」
だが、メキメキと頭角を現し、高校卒業後は実業団・王子製紙へ。そして94年2月開催のノルウェー・リレハンメル五輪代表に選出された。
「実は、スケートが嫌いだったんです。成績が良いと逆にタイムに追われ、重荷になるばかりでしたから」
波乱もあった。91年、21歳の時に脳下垂体腫瘍で入院。後遺症の危険が高い手術を回避して投薬で治癒したものの、ホルモンのバランスが崩れ生理が不安定になった。さらに翌年12月には左足首靱帯断裂……。
「3本中、2本が切れて1本が伸びてました。でも『やっと引退できる』って、心からホッとしたものです」
ところが、「これが最後」と、直後に出場した全日本選手権大会で、なんと優勝。しかも、自己ベストを10秒以上も短縮。