若手の週替わりV喜べず 壁になる“ツアー女王”不在の深刻度
7位タイには最終組でプレーした原(20)、前週優勝の小祝(21)と吉本ひかる(20)がいる。
そして一時単独首位に立ち、4位に終わった臼井麗香(20)もそうだ。
「強かった韓国勢に元気がなくなり、鈴木愛や比嘉真美子がメジャー参戦で不在と、女子ツアーには今、圧倒的に強い女子プロが見当たらない。誰が勝ってもおかしくない状況の中で、勢いのある若手が勝利をモノにしている」と評論家の宮崎紘一氏がこう続ける。
「だが、華やかなようでも、冷静に見ると肝心なところでポカが多かった。黄金世代や、それより若い選手が勝っているといっても、勝負に迫力や凄みは感じられず、印象に残る名場面というのは少ない。上っ面の華やかさでしかないようだ。経験が浅くてもすぐに勝てるような女子ツアーでは、目の肥えたファンには早晩、飽きられてしまう。黄金世代が週替わりで勝って盛り上がっているように見えるが、手放しで喜べる状況ではないはずだ」
飛ばし屋の原は、17番で1.5メートルと絶好のバーディーチャンスを決められず、最終18番はスプーンを手にして左ラフに曲げ、2打目はグリーンオーバーと稲見にプレッシャーをかけられなかった。
黄金世代では未勝利の臼井も最終18番の2打目に8番アイアンを手にしてグリーンオーバーし、アプローチを1.5メートルに寄せながらパーパットを決められなかった。
若手の対立軸になる“絶対女王”が見当たらない女子ツアーは、人気も長続きしないはずだ。