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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大迫は設楽に3枠目まで持っていかれるのを見ているだけか

公開日: 更新日:

 東京オリンピックのマラソン代表を決めるMGCが15日に行われ、男女各2人が代表に内定した。残り1枠は、今後の指定競技会で、男子は2時間5分49秒、女子は2時間22分22秒以上を記録した選手に与えられ、記録が出ない場合に限り今回のMGC3位に入った選手が権利を得る。

 プレッシャーのかかったレースだけに、見応えある展開だった。男子は設楽悠太が飛び出し、それを追った集団の腹の探り合い、特に残り3キロからの2位争いの白熱は、国内マラソンで久々に味わう興奮だった。

 逃げた設楽、優勝した中村匠吾、2位の服部勇馬、3位の大迫傑、途中で先頭をリードした鈴木健吾ら、いずれも箱根駅伝で活躍した選手ばかりだった。一般のファンにも分かりやすく堪能できたのではないか。

 中村匠吾は駒大の大八木弘明監督が、大学時代から将来のマラソンを見据えて手塩にかけたランナーだ。同じように設楽や服部も、東洋大時代に酒井俊幸監督が東京オリンピックのマラソンをイメージさせて指導してきた。このところ箱根駅伝で青学大に食われっぱなしの両校OBの活躍は、マラソンの今後に示唆するものがあるはずだ。

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