カウンターアタックは脅威 日本の“最要注意”は世界最高FB

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「魔法の世界から送り込まれた」

 ホッグは、今大会開幕を前にスコットランドの地元紙にこう明かしている。

「(最後列にいるFBの)一つの判断がチームの勝敗に直結することもある。自分はチームをベストな状態に導かなければならず、そのためには常に研究と進歩が必要なのです」

 各チームとも、対戦相手の試合のビデオを見て、本番に備えるのが一般的だ。多くの選手は相手の戦術把握に努めるが、ホッグの研究はそれだけにとどまらない。相手のFBのポジショニング、キックやパスの精度、状況ごとに選択するプレーに注目し、全てを頭に叩き込んで試合に臨んでいるという。

 スコットランド人記者によれば、ホッグはラグビーに真摯に取り組んでおり、自分よりも若くて実績のないFBからも貪欲に吸収。試合中に目の当たりにした対戦相手のFBの好プレーも参考にして、練習で試して実戦で使っている。

 来日前にはオールブラックス(ニュージーランド代表)のWTB・FBベン・スミス(33)のプレーを研究したそうで、キックの使い分けを参考にしたそうだ。

 日本のFBは、ここまでの3試合はウィリアム・トゥポウ(29)、山中亮平(31)の2人が先発で起用されている。ホッグによって日本のバックスの最後の砦は丸裸にされているに違いない。

 魔法使いの少年を描いた人気シリーズ「ハリー・ポッター」はスコットランドが舞台だ。原作者であるJ・K・ローリング氏(54)は変幻自在なプレーを披露するホッグは他の選手とともに「魔法の世界から送り込まれた」と持ち上げている。

 同氏は、前回15年イングランド大会で日本が南アを破る世紀の番狂わせを演じた際には自身のSNSで「こんな話は書けない」と、驚愕ぶりを伝えた。

 日本は“魔法使い”のようなプレーを封じ込めて、ミリオンセラー作家も書けないストーリーを実演できるか。

【連載】日本の宿敵 スコットランドの危険人物

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