命懸けなのに…ラグビー日本代表の気の毒すぎる報奨金事情
「カネのためにラグビーをやっているのではない!」
選手たちは口を揃えてこう言うに違いない。
ラグビーW杯の日本代表が優勝候補のアイルランドを破り、今も興奮冷めやらぬファンは多い。選手たちはこの日も1次リーグA組第3戦のサモア戦(5日、愛知・豊田スタジアム)に向け、都内で全体練習を行った。アイルランド戦では後半から出場し、逆転のトライを決めたWTB福岡堅樹(27)も、ストレッチやダッシュなどで汗を流した。
日本は次のサモア戦に勝っても1次リーグ突破は決まらないが、日本戦の注目度は増すばかり。初めてラグビーの試合を観戦したという、にわかファンの中には、この競技の魅力に引かれた者も少なくないだろう。鋼のような分厚い筋肉で身を固めた連中が見せる、空中でのボールの奪い合いや激しいタックル、スクラムの押し合いはラグビーの醍醐味でもある。
一方で、体を張った者同士のプレーの衝撃や後頭部を強打するなどして靱帯断裂や頭部外傷、脳振とうなどは珍しくない。頚椎損傷で選手生命を断たれた者もいる。ベテランSHの田中史朗(34)は大会前、「命懸けで戦う」と妻に宣言したと報じられた。しかしそれは、決して大袈裟な話ではない。一歩間違えば命を落としかねない危険な競技なのだ。