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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

大リーグ公式戦再開前に…経営改善へ各球団がアノ手コノ手

公開日: 更新日:

 タイガースは1回券の購入者に対して「全額払い戻し」か「2020年の公式戦の購入の際に利用できる30%のボーナスクレジット」のいずれかを選択するよう提案した。

 入場券を払い戻しせず、「ボーナスクレジット」を選択した場合、新型コロナウイルス感染症対策に従事している医療関係者や経済的な被害を受けたデトロイトの非営利団体の従業者の支援などのプログラムに参加することができる。

「30%」という率はタイガースが最も高いものの、ツインズは15%、インディアンスは10%、カブスは5%といったように、他の球団も払い戻しの他にボーナスクレジットを選択肢として用意している。

 大リーグ機構による要請は「試合が行われていないのに高価な入場券の払い戻しに応じない」と訴訟を起こされた直後に出されている。このことからも、関係者が、放映権料と並び球団の収入の柱となる入場券収入の維持だけでなく、訴訟によって高額な和解金や賠償金を支払う事態を回避しようとしていることを示している。

 また、アスレチックスが本拠地オークランド・コロシアムの年間使用料120万ドル(約1億3000万円)を期日までに支払っていないとされる問題も興味深い。

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