プロ野球3時間半ルール導入検討 巨人によぎる2011年の悪夢
6月19日に開幕予定のプロ野球で特別ルールが検討されている。
試合時間を制限し、延長戦も廃止するという案だ。昨季まで延長戦は最長12イニングまでで、時間は無制限。これを、選手の消耗や新型コロナウイルス感染のリスクを減らすために、今季に限って見直そうという動きがあるのだ。試合時間の制限は、2011年の東日本大震災の際、節電対策として「開始から3時間半を超えた場合、新たな延長回に入らない」というルールが導入され、翌12年も実施された。
これに翻弄されそうなのは巨人だ。12年こそ日本一になったものの、採用1年目の11年シーズンは3位に終わった。
巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言う。
「この年、優勝した中日は落合監督の下、レギュラー陣はしっかりしていたが、選手の層は決して厚くなかった。戦力豊富な巨人を差し置いて、中日やヤクルト(2位)がV争いをしたのは偶然ではありません。3時間半制なら、多くの試合が九回まで。例年より選手の消耗度が少ないため、選手層が薄くても、戦い方でカバーができます」