阪神「大型新人スラッガー」佐藤輝明と岡田彰布の相関関係
しかし、佐藤は多くのスカウトが満場一致に近いS評価を与えた正真正銘の大砲だ。そんな超大物を阪神が競合の末に獲得したのは2012年のドラフト1位・藤浪晋太郎以来のことだ。ただし、藤浪は投手であるため野手の佐藤とは比較検討しづらい。したがって野手で考えてみると、今から40年以上前、1979年ドラフトで当時史上最多の6球団競合の末に阪神が獲得した岡田彰布にたどり着く。つまり、阪神にとっての佐藤は、あの岡田以来の超大物新人スラッガーと言えるわけだ。
この岡田だが、入団時は本職のサードにミスタータイガース・掛布雅之がいたため、セカンドにコンバートされ、当時の外国人・ヒルトンとのポジション争いが物議を醸したのは有名な話だ。それを思うと、今年の佐藤とますます似ている。
ご存じ、佐藤の本職は岡田と同じくサード。しかし、そのサードには掛布と同じく4番・大山がいるため、外野へのコンバートが予定されているわけだが、阪神の外野には選手会長・近本光司とベテラン・糸井嘉男に加え、新外国人として昨年の韓国プロ野球MVP&2冠王(本塁打と打点)に輝いたスラッガー、ロハス・ジュニアがいる。ポジション争いは熾烈だ。
しかし、これは吉兆かもしれない。あのころの岡田も紆余曲折を経て阪神の主砲となり、掛布とともに長くクリーンアップを組んだ。大山と佐藤もそんな関係になったらなあ、と願うばかりだ。