センバツ「スパイ合戦」の落とし穴 1カ月前抽選がアダに?
春のセンバツ(3月19日開幕)の組み合わせ抽選会から一夜明けた24日の一般紙やスポーツ紙には、対戦相手に関する出場校の監督や主将のコメントがあふれている。その中で改めて驚かされたのは、彼らが対戦相手について把握している情報の濃さ。組み合わせが決まったばかりだというのに、相手のチームカラーやエースの特徴を詳しくしゃべっているのだ。それはつまり、彼らが常日頃から出場32校の情報収集をしていることを意味する。
例えば甲子園常連校の監督の中には、抽選会の前に31校分のビデオをすべてチェックするつわものもいる。そうやって対戦相手が決まる前から、出場校のエースの細かいクセやバッテリーのサインを解読するそうだ。
例年なら開幕の約1週間前に行う抽選を、今回は1カ月前に行った。対戦相手を絞り込めることで、初戦はもちろん、上位を狙う学校は2回戦以降の相手も丸裸にできるのではないか。
「全国制覇の経験がある西日本の強豪校の元監督は、変装までして相手チームの練習を見に行っていた。甲子園で勝つことに血道を上げている野球学校ほど、この1カ月間を有効に使いますよ」とはアマチュア野球担当記者。1カ月前抽選は強豪校に追い風というのだが、落とし穴もある。