及川雅貴「叱った覚えがないくらい」リトルシニア監督が振り返る“元スーパー中学生”の人間性
匝瑳市は人口約3.5万人。県北東部の海沿いにあり、日本最大級の砂浜海岸である九十九里浜が広がる。
そんな及川のもとには50近い高校から声が掛かったが、9月ごろまで熟考した上で横浜を選んだ。
1年春からベンチ入りすると、最速153キロをマークするまでに。1年夏、2年夏、3年春の計3回、甲子園に出場。U18合宿にも呼ばれ、佐々木朗希(ロッテ1位)、奥川恭伸(ヤクルト1位)、西純矢(阪神1位)らと共に「高校BIG4」といわれた。
3年時に調子を落としたこともあり1位では指名されなかったが、3位で阪神へ入団。2年目の今季、5月28日の西武戦で一軍デビュー。七回1死からマウンドに上がり無失点に抑えると、同30日にはプロ初勝利を挙げた。以降、中継ぎとして35試合登板、2勝3敗9H、防御率3.67。勝ちパターンの救援投手が足りない中、「七回の男」を担った試合もある。
「予想以上の成長速度ですよ」とは阪神OB。
「一軍で主力になるには、少なくとも3年以上かかると思っていました。“異例”の環境がプラスになっていると思います。19年のドラフトは1位から5位まで高校生。お互いが刺激を受けるだろうし、シャイなところがあるので、同級生が多い分、慣れないプロの世界で心強いはず。同じ『高校BIG4』でドラ1の西純矢は今年5月、一足先に一軍デビューして先発でプロ初勝利。よきライバルとして、いい影響を受けているようです」