ソフトBが中日・又吉を獲得 8年ぶりFA補強は孫正義オーナーの「V奪回」大号令
一に勝利、二に勝利だ。
13日、ソフトバンクが中日からFA宣言した又吉(31)を獲得。中日の加藤球団代表はこの日、又吉本人から連絡があったことを明かし、ソフトバンクの三笠GMも明言した。年俸は4年6億円程度という。
ソフトバンクにとっては2013年の鶴岡(現役引退)、中田(現三軍コーチ)以来8年ぶりとなるFA補強。付け加えれば、これまで助っ人と自前で賄っていたリリーフの獲得も初だ。
又吉は今季66試合に登板したタフネス右腕。抑えの森、セットアッパーのモイネロに加え、又吉が「七回の男」として定着すれば勝利の方程式を確立できる。
孫オーナー「悔しくてしょうがない」
ソフトバンクは今オフ、工藤前監督に代わって、長くファームを担当していた前二軍監督の藤本監督が就任。育成手腕を期待されていると思いきや、それ以上にV奪還に向けた動きが活発だ。
球団OBは「助っ人補強がそうです」と、こう続ける。
「ソフトバンクが獲得した前フィリーズのガルビスは、バリバリのメジャーリーガー。今季はオリオールズとフィリーズで計104試合に出場し、打率.242、14本塁打、40打点。19年には23本塁打を打ち、メジャー通算109本塁打。本職の遊撃に加えて、二塁も守れる。ソフトバンクの遊撃はケガさえなければ今宮が盤石だが、問題は二塁。今季は二軍時代に藤本監督から評価されてきた5年目の三森が、二塁手としてプチブレーク。来季の飛躍が期待されていたところに、メジャーリーガーの補強ですからね」
ソフトバンクの二塁はなかなか選手を固定できず、懸案事項のひとつだった。三森もまだ「期待はできても計算は立たない若手」とはいえ、ガルビス獲得で出番が減ることは明らかだ。
孫正義オーナーは2日のスポンサーパーティーで、4位に終わった今季について「悔しくて悔しくてしょうがない」と歯ぎしり。王球団会長が兼任特別チームアドバイザーとして現場復帰したのも、オーナーの強い要望あってのものだ。
かつて孫オーナーは「世界一のチームを目指す」と豪語しており、2年連続Bクラスなどは絶対に許されない。パ5球団はもとより、現場の首脳陣、選手もオーナーの大号令に戦々恐々か。