東京五輪マラソン惨敗「本当の戦犯」は誰なのか? 一発選考MGC組は結果出せず
注目を集めたマラソンは、男子は大迫傑(6位)、女子は一山麻緒(8位)が入賞したが、この2人は最後の1枠に滑り込んだ「第3の代表」だった。
一方、本番で力が発揮できる調整能力や暑さへの耐性がある選手を一発選考する「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」で五輪切符を掴んだ前田穂南(33位)、鈴木亜由子(19位)、中村匠吾(62位)、服部勇馬(73位)の4人は惨敗した。
コロナによって開催が1年延期となり、思うような調整ができなかったことは理解できるが、条件は外国勢も同じ。むしろ日本勢は母国開催のアドバンテージがあったはずだ。
「当初の予定通り、昨年に開催されていたら、陸連には批判の矢が向けられていたでしょう」とは、ある放送関係者だ。
「マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古(利彦)さんは、一発選考のMGCは成功だったと言いましたが、惨敗した4人は札幌の暑さにも負けた。最後まで左足の故障に苦しんだ中村は、元日の実業団駅伝で4区2位と快走し、富士通の12年ぶりの優勝に貢献。故障はそのすぐ後ですから、本来なら五輪イヤーの駅伝のあり方も議論されるべきなんです。しかし、大手のスポーツメディアは強化体制などの責任を追及しなかった。こぞって五輪スポンサーになったのですから、できるワケがありません」
惨敗でも無風で終わったことにあぐらをかいていては、24年パリ五輪の結果も火を見るより明らかだ。