ウクライナ侵攻の中、IOCがパリ五輪日程発表 そして再び問われるバッハ会長の手腕
5月のパリの全仏に注目しているのは、この大会の成否が次のパリ五輪に直結しているからだ。
ウクライナ侵攻が進む中、IOCは再来年7月24日から19日間に及ぶ32競技の大会日程を発表した。開会式はスタジアムではなくセーヌ川に160隻のボートを浮かべ、エッフェル塔、ルーブル美術館、シャンゼリゼなどをフルに使った派手な趣向になるという。陸続きで進行する大戦のニュースとかけ離れた話に目がくらむが、再びバッハ会長の出番になる。
■大儀は継続と拡散
日本ではすこぶる人気がない人だが、トーマス・バッハは間違いなくオリンピック史に名を残す。新型コロナウイルスによる世界的パンデミックの真っただ中に、夏、冬の大会を、それもアジアで開催した指導力は計り知れなく大きい。オリンピックの大義は継続と拡散であり、未開のアラブやアフリカへ運動は進められるだろう。没政治のコスモポリタニズムなど大言壮語の嘘っぱちと言い捨てるのはたやすいが、争いの絶えない人類に、オリンピックという緩衝材は貴重なチャンスなのだ。