大谷の移籍問題は“延長戦”へ…早ければ今オフさらなる争奪戦勃発!三角トレードの可能性も
複数球団、10人以上を巻き込んだ三角トレードも
野球文化学会会長で名城大准教授の鈴村裕輔氏は「今夏の移籍市場を賑わせたことからも、大谷が今オフのストーブリーグの目玉になるでしょう」とこう続ける。
「その年のポストシーズンを見据えた夏場の補強とは異なり、シーズンオフは大半の球団が人件費も含めて一から編成を練り直します。毎年11月から12月にかけて、GM会議、ウインターミーティングが行われるため、夏場以上に移籍が活発化する。各球団のGM、編成担当者の話題の中心は当然、大谷の動向になるでしょう。エ軍のミナシアンGMには他球団のGMから大谷のトレードの打診が殺到するはずです」
今年のFA事情も大谷のトレードを加速させそうだ。今オフのFA市場は投手、野手とも比較的、人材難。目玉になりそうなのは投手ではレンジャーズの左腕ぺレス(31=9勝2敗、防御率2.52)、野手の長距離砲では大谷とともに今季のア・リーグMVP候補に挙がっているヤンキースのジャッジ外野手(30=打率.299、43本塁打、93打点)くらいだ。実力の劣る選手に大金を積むよりも、トレード市場で大谷に白刃の矢を立てる球団は少なくないとみられる。
「すでにメジャーで二刀流が通用することを証明した大谷であれば、多くの球団が獲得に名乗りを上げるのは当然です。大物選手のトレード交渉になれば、2球団間で交換要員などの折り合いをつけるのは難しいため、3~4球団、10人以上の選手が絡んだ、いわゆる三角トレードに発展すると思います」(前出の鈴村氏)
この三角トレードはメジャーで頻繁に行われており、2015年にはブレーブスのエース左腕だったウッド、最多セーブ2度のジョンソンを軸に若手有望株との交換でドジャース、マーリンズを含む3球団、計13人による大型トレードが成立。14年にはア・リーグの新人王でレイズのマイヤーズ外野手を中心にパドレス、ナショナルズの3球団で計11人が動いた。
「このオフには、ブロックバスター(大型)トレードで大谷を獲得し、二刀流を中心としたチーム編成を検討している球団もあるでしょう。トレード成立後にFA権取得を見据えて大谷との契約延長を打診することも考えられ、メジャー史上最高となる年平均5000万ドル(約66億円)の複数年契約を結ぶ可能性もあります」(鈴村氏)
今オフは、今夏をはるかに超える大争奪戦が繰り広げられそうだ。
■守護神ら大量放出
チームはトレード期限最終日に主力選手の大量放出を行い、先発右腕シンダーガード、マーシュ外野手がフィリーズへ、守護神イグレシアスがブレーブスにそれぞれ移籍した。いずれも若手選手との交換となる。