横綱・照ノ富士不在の11月場所は「群雄割拠」にあらず…横並び一線「ドングリの背比べ」
13日初日の大相撲11月場所。横綱照ノ富士(30)不在の中で賜杯争奪戦の火ぶたが切られた──と大仰に言ったものの、この日、最も注目を集めたのは小結・玉鷲(37)と平幕・逸ノ城(29)の一番だろう。
前者は先場所優勝力士、後者は7月場所優勝力士の激突だが、注目されたのは相撲内容ではない。逸ノ城は場所直前、所属する湊部屋のおかみに暴力を振るった疑惑を報道された。まだ疑惑段階とはいえ、相撲内容よりも、おとがめなしで土俵に上がる姿に疑問の声が出ているのだ。ちなみに結果は逸ノ城が押し出しで勝った。
そうしたスキャンダラスな力士はさておくとして、手に汗握る一番と言えるほどの取組があったかどうか。
先場所11勝し、「大関候補」といわれる関脇・若隆景(27)は序盤に星を落とすことが多く、この日も高安に黒星。難敵の高安相手に接戦を演じたことは収穫でも、勝ちきれなかった。
カド番の大関・正代(31)はいつもの通り、黒星発進。今年は先場所までの5場所で計34勝41敗。黒星が先行しているのだから、負けたところで誰も驚きはしない。