門田博光さんを悼む「もう体はボロボロや」と語った稀代のスラッガーの仰天ファンサービス

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 通算567本塁打の門田博光さんの訃報に接し、10年前を思い出した。

 稀代のスラッガーに野球人生を振り返ってもらおうと、改めて取材を申し込んだ2012年。住んでいた兵庫県の相生駅前のホテルでじっくり話を伺った。門田さんは会うなり、「脳梗塞糖尿病……もう体はボロボロや」と言っていたが、どうしてどうして意気軒高。自らの野球人生、打撃スタイル、今の野球界について歯に衣着せず、大いに語ってくれた。その考え方が独特というか、豪快というか、徹底していた。

 門田さんは1979年の春のキャンプで右足のアキレス腱を断裂した。復帰したのはシーズン終盤。足の故障もあり、翌年からDHに専念する。DHは守備につかないのでどうしても体を動かさなくなる。それで奈良の自宅から大阪球場まで、自動車通勤をやめ、電車で通うことにしたんだ、と言った。電車なら歩くし、駅の階段を上り下りするので、足首や下半身を鍛えることにもなるからだ。

 ところが、問題が起きた。1月の自主トレ中だ。朝10時からの自主トレに間に合うよう自宅を出るとラッシュアワーにぶつかる。電車でぎゅうぎゅう詰めになるのはともかく、階段などで押されたら踏ん張れない。倒れてケガをしたり、治癒したアキレス腱を再び痛めたりしかねない。

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