巨人・大勢は「高めの球」にいい感性を持っている WBCでは日本の切り札になり得る
外国人の打者は総じて手足が長い。体格の特性からして、低めの球には手が届く。逆に高めの球に対しては、その長い手が邪魔になってスイングが窮屈になる。
特にメジャーの打者は「フライボール革命」によって、スイングがアッパー軌道になっている。より、低めが打ちやすく、高めにはバットが出にくい。
実は日本でも同じだ、と私も前々から考えていた。日本の指導者はいまだに、投球の基本は低めと教える。試合の中継を見ても、解説者が「球が高めに浮いてきた。危ないですね」などと言っているが、過去に私が同じユニホームを着た助っ人外国人、例えば近鉄時代のオグリビーや横浜時代のローズに聞いても、打者にとって最も打ちにくいのは「決まっているじゃないか、high fast ballだ」と言っていた。日本の強打者に聞いても答えは同じ。
■「低め信仰」を捨てよう
私がコーチ、監督として「常識を疑え」「低め信仰は捨てよう」と投手に伝えてきたのはそのためである。怖がらずに徹底すれば、ヤクルトの村上宗隆に56本もの本塁打を打たれることはなかったと思う。