メジャーも惚れたロッテ藤岡裕大のフィジカル 劇的同点3ランでCSファイナル進出に大貢献
起死回生の一発が幕張の夜空を切り裂いた。
土壇場で最高の仕事をしてのけたのが、ロッテの藤岡裕大(30)だ。
3位ソフトバンクと1勝1敗になり、後がなくなった昨16日のCSファーストステージ3戦目。9回まで双方無得点と、互いに譲らず延長戦へ突入した。ロッテは十回に継投陣が崩れ、3失点。万事休すと思われたその裏にまさかのドラマが待っていた。角中と荻野が連続ヒットで無死、一、二塁。ここで打席に立ったのが藤岡だ。
ソフトバンクの中継ぎ、津森のど真ん中の初球を振り抜くと、打球は右翼フェンス前に張り出したホームランラグーンに飛び込む劇的な同点3ランとなった。
その後は安田のサヨナラ適時打もあり、ロッテがCSファイナル進出を決めた。
吉井監督が「凄い集中力だった」と相好を崩した藤岡は、今季がプロ入り6年目。亜細亜大からトヨタ自動車を経て、2017年ドラフト2位で入団。1年目から遊撃のレギュラーの座を掴んだ。
とはいえ、身体能力を生かした守備はともかく、打撃はいまひとつ。今季は打率.277と殻を破った感があるが、本塁打はプロ通算15本。今季もわずか1本だけだった。