メジャーも惚れたロッテ藤岡裕大のフィジカル 劇的同点3ランでCSファイナル進出に大貢献
それが大舞台でまさかの一発だから、ロッテナインも驚いた。ベンチサイドで見ていた佐々木朗希は、3ランが入った瞬間、状況が呑み込めないかのようにポカンとしていた。
■「ホームランを打つ気持ちで打席に入りました」
藤岡がお立ち台で「前の2人がつないでくれたので、ホームランを打つ気持ちで打席に入りました」と言うと、アナウンサーまで「そうですか」と絶句。一瞬、間を置いて「藤岡選手はレギュラーシーズン1本。ホームランという気持ちで打席に入りましたか……」と“無礼”な質問をぶつけたのも、あながち責められないだろう。
ただ、守備を含めた野球能力はかねてから評価が高かった。
あるメジャースカウトは「社会人時代から注目していた」と、こう続ける。
「身体能力が高く、打撃もセンスは十分。当時はマイナーで鍛えたら、一体どれだけの選手になるのかと思っていた。ただ、プロ入り時点で24歳。さすがにその年齢の選手に『マイナーからやろう!』とは言えなかった。ロッテでは打撃で伸び悩んでいた時期が長かったので、『米国にいたら今頃……』なんて思わなかったこともない」
最高の仕事をしてのけた藤岡。CSファイナルでも周囲を驚かせることができるか。