レスリング文田健一郎 グレコローマン40年ぶり五輪金でも「悔しい」の理由
【レスリング】男子グレコローマンスタイル60キロ級
グレコローマン(GR)スタイル60キロ級の文田健一郎(28)が7日未明の決勝で、曹利国(25=中国)を下し、金メダルを獲得。日本勢が同スタイルで頂点に立つのは52キロ級の宮原厚次が1984年ロサンゼルス大会を制して以来、40年ぶりの快挙だ。
文田は23年世界選手権(セルビア)の準々決勝で破った相手に対し、第1ピリオドで回転させるなどして3点を先取。第2ピリオドで1点を奪われたが、逃げ切って表彰台の真ん中に立った。
銀メダルに終わった東京大会の雪辱を果たし、「悔しい思いをした3年前の決勝を思い出します。40年ぶりの金はすごいことというより、(日本勢が)40年間勝てなかったのは悔しい。このまま2歩、3歩と進んでいけるようにしたい」とGRのさらなる躍進を誓った。
文田が言うように、日本のレスリングはフリースタイルが主流で、男子のみのグレコローマンはオマケのような扱いだ。小学生の「ちびっこレスリング」で最初に教えられるのはフリースタイルで、レスリングの強豪高校、大学ですら、GRを本気で強化するケースは少ない。世界選手権も含めた国際大会で結果を残すのは、フリーの選手が圧倒的に多いのは当然のことなのだ。