「エンゼルス佐々木朗希」誕生へ…菊池雄星との大型契約&異例の早期決着で獲得に布石
昨季までドジャース・大谷翔平(30)が6年間プレーし、日本のファンにも馴染み深いエンゼルスは日本時間28日、菊池雄星(33)との契約を発表。3年総額約97億円の大型契約で、同じ左腕のアンダーソンとともにエース格の役割を担う。
菊池は今夏のトレードデッドラインでブルージェイズからアストロズに移籍。ア軍では10試合に登板し、5勝1敗、防御率2.70でチームの地区4連覇に貢献した。MAX159キロの速球を武器に今季キャリアハイの206奪三振をマークした左腕は、今オフのFA市場で動向が注目されていた。菊池クラスの先発左腕であれば、各球団の編成トップ、各選手の代理人が一堂に会する12月のウインターミーティング後まで結論を先延ばしするのが一般的だが、感謝祭(今年は28日)を前に異例の早期決着となった。
年平均約32億3000万円の好条件を勝ち取ったのは、タフネゴシエーターとして知られる代理人のスコット・ボラス氏の手腕によるものだが、大金を積んだエンゼルスにも思惑があるからだろう。
菊池と同じ岩手県出身で、ロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木朗希(23)獲得への布石だというのだ。
日本人がメジャーに移籍する際、球団が人件費を負担して通訳、トレーナーらを雇うなど、万全のサポート体制が敷かれる。選手によっては住居、車、キャンプ地の宿舎、日米間の往復航空券などさまざまな付帯条項も盛り込まれる。今オフの移籍市場の目玉の一人である佐々木を獲得する球団は球場内外でのさまざまなサポート体制を提供するとみられるが、同僚選手に日本語が通じ、メジャー経験が豊富な選手がいれば、ルーキーには心強い存在になる。エンゼルスは菊池をエースとして計算する一方で、佐々木のサポート役、話し相手として期待しているのだ。
今季、ドジャースに投手史上最高額の12年3億2500万ドル(約481億円)で加入した山本由伸はワールドシリーズ後のインタビューで大谷について「プレー中もそうですし、ふだんの時も本当に心強い存在でした」と明かしている。
ア・リーグのスカウトがこう言う。