DeNA復帰バウアーがメジャーから「事実上追放」された本当の理由…女性へのDV疑惑だけじゃない!
「みんなに会いたかった」
昨27日、DeNAは前メキシコリーグのトレバー・バウアー(34)の獲得を発表。契約は単年で総額600万ドル(約9.3億円)規模とみられる。2023年シーズン以来、2年ぶりの復帰にバウアーは、「再びベイスターズでプレーすることができ、本当に楽しみであるとともに、ファンの皆さんにとても会いたかったです」などとコメントした。
大物助っ人の復帰は、この日行われた球団イベントでサプライズ発表された。メジャー通算83勝を挙げ、20年にサイ・ヤング賞を獲得した右腕は23年の在籍時、メジャーリーガーよろしく中4日で先発するなど、10勝4敗、防御率2.76をマーク。メジャー復帰を希望し、同年限りで退団した。しかし、メジャーからのオファーはなく、昨季はメキシコリーグに移籍して10勝無敗の好成績を残しながら、このオフも「メジャー最低年俸でも構わない」と必死にアピールを続けたものの、またも色よい返事はもらえなかった。その結果、DeNAへの復帰を決断するに至った。
昨季はシーズン3位から下克上日本一を成し遂げたDeNAは今季、1998年以来27年ぶりのリーグ優勝を目標に掲げている。昨季は2ケタ勝利を挙げた投手が左腕の東のみ。故障さえなければ2ケタ勝利が見込めるバウアーの再加入に三浦大輔監督はこの日、開幕投手も「ゼロではない」と発言するなど期待を寄せた。悲願のリーグ優勝達成へ追い風になる可能性はある。
DeNAファンの間ではおおむね歓迎ムードに包まれているが、それにしても、かつてメジャーでトップに君臨し、今も実力をキープしている投手がなぜ、メジャー復帰できないのか。
「アイツの名前を俺の前で出さないでくれ」
前回バウアーがDeNAに在籍していた23年のことだ。横浜スタジアムを視察に訪れたさる米国人のメジャースカウトにバウアーのことを尋ねると、こう言って顔をしかめた。
バウアーはドジャース時代の21年7月、女性へのDV疑惑を理由に制限リスト入り。その後も性的暴行で告発されるなど、複数の女性と訴訟問題に発展した(DV疑惑については証拠不十分で不起訴)。
今月、元アスレチックスのライアン・ピネダ氏のYouTubeチャンネルに出演した際、これらの訴訟費用が1500万ドル(約23億円)ほど要することを明かし、メジャー最低年俸でそれを全額寄付すると訴えても、ダメだったと苦笑いを浮かべ、「たぶんメジャー30球団の幹部が『いや、彼とは契約したくない』と決めているんだろう」と語った。
メジャーに詳しい野球文化学会会長で名城大学外国語学部准教授の鈴村裕輔氏は、「女性への暴行問題が浮上したことに対し、『火のないところに煙は立たない』と、モラル、道徳的な部分で受け付けない、という人はいるでしょう」と前置きしたうえで、こう続ける。