八潮市の道路陥没事故 埼玉県は「想定外」…都市部の下水道管老朽化が地方より早い理由
28日午前9時50分ごろ、埼玉県八潮市の県道交差点で、轟音とともに道路が陥没。その直後、路上を走行していた大型トラック1台が陥没でできた幅約10メートル、深さ約6メートルの穴に転落した。
事故直後から消防による懸命の救出作業が行われたが、クレーンで大型トラックを引き上げ作業中、付近にさらに大きな陥没が起こるなど、被害が拡大。今もなお下水道復旧の見込みは立っていない。
県下水道事業課によると、現場地下約10メートルにある下水道管が腐食し、破損した部分に土砂が流入。地中にできた空洞の上を車両などが通行したことで重みに耐えきれなくなり、陥没した可能性があるという。下水道管が破損した原因は、汚水から発生した硫化水素が空気に触れて硫酸になり、徐々に腐食したとみられる。
車両の重みで陥没が発生するということは、いつ誰が同様の事態に巻き込まれても不思議ではない。これほど大規模な陥没事故が発生することは想定されていたのか。
「県では5年に1度、管渠(地中に埋設された水路や排水管)の内部調査を行い、緊急度の高い順にAからCまでランク付けしています。今回の箇所は5年前の調査でBランクだったため、至急対応する内容ではなかった。陥没の原因にならないよう内部を点検し、維持管理をしていましたが、想定外のことが起きてしまった。これだけの規模の陥没も想定していませんでした」(同事業課担当者)