“フジテレビの天皇”退任のXデー…日枝久取締役相談役への「社員・視聴者・株主」からの包囲網どんどん狭く
“やり直し会見”を戦々恐々で見つめたフジテレビ社員らは悲嘆に暮れている。港浩一社長と嘉納修治会長が辞任したものの、「フジの天皇」が取締役に居座り続ける限り、シャッポのすげ替えでしかないのは誰の目にも明らかだからだ。日枝久相談役(87)のことである。中居正広の女性トラブルに端を発した「フジテレビ問題」の焦点は、いよいよ、日枝氏の退任Xデーに絞られてきた。
フジテレビ関係者によれば、記者会見のあった27日だけで同社の視聴者センターに4000件近い電話やメールがあり、約9割は批判的な意見だったという。「なぜ日枝氏は記者会見に出席しないのか。実質トップが出席しないのはみんな納得しない」「港社長や経営陣が懸命に日枝氏を守ろうとしていたのが印象的だった」など、日枝氏に関する意見がいくつもあった。
他局のニュースも「日枝相談役とは」などとワンコーナーを割き、40年以上の長期にわたって取締役に就いていることや経歴、人物像について解説。日枝氏はいまや“時の人”である。
「社長と会長が辞任し、オープンな会見も開いたが、信頼回復には至っていない。結局、厳然たる影響力を持つ日枝相談役が退任しないと何も始まらない。社員の多くが、もう辞めて欲しいと思っています」(フジ社員)
そんな中、28日、フジの遠藤龍之介副会長が辞意を表明。複数メディアの取材に「第三者委員会の報告を受けて、3月末をメドに責任を取って辞める」と答えたのだ。
27日に会長と社長が辞任し、清水賢治社長へと交代したが、あくまで「暫定的な体制」との説明だった。遠藤氏は会見で、「(常勤役員)それぞれがそれぞれの責任を取るべきだと思っている」とも発言していたから、3月に報告書がまとまった時点で、遠藤氏だけでなく残りの役員の総退陣もあり得る。