老舗球団ドジャースの実態…資金力を背景にナンバーワンの地位を不動にした「新・悪の帝国」
2012年3月、資産運用会社のグッゲンハイム・パートナーズが破産していたドジャースを約3200億円で買収。それ以降、選手補強に莫大な資金を投じている。
2月1日時点でぜいたく税の対象となるドジャースの総年俸は600億円超に膨れ上がり、2位のフィリーズ(約480億円)に大差をつけている。
筆頭オーナーはグッゲンハイム・パートナーズ創業者で、大谷翔平の入団会見にも同席したマーク・ウォルター。NBAの伝説のスターであるマジック・ジョンソンも共同オーナーのひとりに名を連ねている。
翌13年から昨年まで12年連続でプレーオフに進出中。昨年は4年ぶりにワールドシリーズを制した。
14年10月には弱小球団だったレイズを強豪に押し上げたアンドリュー・フリードマンをヘッドハンティングして編成本部長に。カネにウォール街出身の頭脳を加えたことによって、的確な補強をするだけでなくマイナー組織も充実。生え抜きが育つようになり、常勝球団に変貌した。
近年は後払い契約を連発、タンパリング疑惑も浮上するなど“裏技”まで駆使することから、かつて「悪の帝国」と呼ばれたヤンキースに代わって「新・悪の帝国」と呼ばれる。
昨年のワールドシリーズでドジャースに敗れたヤンキースのスタインブレナー・オーナーはこのオフ、さらなる大補強を続けるドジャースについて、「彼らと同じことをやれるかといったら、ほとんどのオーナーが難しい。あれだけの大金を投じ、結果につながるか。ポストシーズンはどんなことだって起こり得る。過去に何度も意外な結果を見てきた」とやっかんだほどだ。