28年ロス五輪サッカー出場枠「男子12・女子16」のなぜ? 背景に世界的潮流とFIFAの思惑
「女子のサッカー人口は世界約3000万人と言われていますが、その内訳はアメリカが際立って多い。国内の女子プロリーグ(NWSL)の人気も高く、大学などアマチュアリーグも整備されて盛り上がっている。五輪のホスト国として女子サッカーの出場国を増やすことは、ごく自然のことでしょう。今回の女子4増・16カ国は、ロス五輪だけの暫定措置ではありません。2032年大会の開催地は、やはり女子サッカー人気の高いオーストラリアのブリスベンです。継続されるのは間違いないでしょう」
さらに「五輪における男女の実施種目と出場者数をイーブンにする」というIOCの方針にも沿っている。ロス五輪の女子競技は161種目、男子競技が165種目、混合が25種目。出場選手の総数は1万1198人で男女比率は「女子が50・5%」「男子が49・5%」と初めて女子が過半数を上回る見込み。世界的潮流としての「ジェンダー・ギャップ解消」の一環という側面もある。
「今回のIOCの決定に対して、FIFA(国際サッカー連盟)が何の異論も挟まなかったのは、思惑があるからです。FIFA主催のフットサル、ビーチサッカーの世界大会が、なかなか不人気から脱せない。あわよくば、五輪の正式種目に採用してもらい、人気のテコ入れを図ろうとしているだけに、IOCにアレコレと言えない状況なのです」とは某サッカー関係者である。
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日刊ゲンダイは以前、日本サッカー初の五輪メダルを「得点王」として導いたガマッチョこと釜本邦茂氏のコラムを連載。自身の半生を赤裸々に綴った【釜本邦茂が語る「ガマッチョの真実」】は、サッカーファンなら要チェックだ。