かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか
「ただ打って、ただ投げて、ただ走るだけじゃない。もっと考えて野球をやれば、今の能力でももっとうまくできる。例えば、走塁。レフト前ヒットを1本打ったとして、普通なら打者走者は一塁で止まる。でも、それが絶対なのか。アウトになってもいいからと二塁まで行ってみたら、全部アウトになるとは限らない。
外野手がファンブルするかもしれないし、送球がそれることもある。外野手が右利きか、左利きかでも違ってくる。レフト線への打球でレフトが左投げだったら、二塁送球に回転を入れないといけない。つまり、コンマ数秒ほど余計に時間がかかる。そうなると、二塁を狙えるかもしれない。相手の外野手がシートノックでものすごい返球をしていたら『肩が強い』と思いがちだが実はステップを多く踏んでいるかもしれない。アバウトに見てはいけない。ストップウオッチでタイムを計れば、相手のスキが見えてくる」
0-2で負けている八回無死一塁の攻撃の場面で、バッターにバントの構えをさせるという。バッテリー心理で2点リードで送りバントの構えをされると「ラッキー」と思い、直球を投げてくる。打者はその甘い球を狙い打ちすればいいのだ。