物価高が一服する? 当てにならない「日銀見通し」ハズれ連発の黒歴史
こいつはタマゲた。日銀は1日の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定。「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では今年度の実質GDP成長率予測を大幅に引き下げ、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)の上昇率予測も下方修正した。3年超も続くインフレは一服するのか。にわかに信じがたい。
政策金利は0.5%程度で、利上げ見送りは2会合連続。会見した植田総裁は「トランプ関税」による「不確実性」を繰り返し口にし、「各国の通商政策などの今後の展開や、その影響を受けた海外の経済、物価動向の不確実性は極めて高い」と強調した。
もっとも、金利維持をめぐっては観測気球が上がっていたし、「トランプ関税」による世界の成長力鈍化はIMFが先行予測。今年の日本の成長率を0.6%に下方修正した。一方、日銀は今年度について1月時点で前年度比1.1%としたのを0.5%にし、来年度についても1.0%から0.7%へと引き下げた。
■トランプ恐怖薄らいだ政府に巻き込まれた格好に
目をむいたのはコアCPIの見通しだ。1月時点の予測は今年度2.4%、来年度2.0%。それを0.2ポイント、0.3ポイントずつ引き下げたのだ。国内成長率鈍化と原油価格下落を踏まえたというが、ピンとこない。スーパーに行けば食料品は割高。備蓄米放出後もコメ高騰は収まらず、16週連続で値上がり。帝国データバンクによると、今年値上げされる食品は1.4万品目を超え、昨年を上回る。