「JR崩壊なぜ連続事故は起こったのか?」梅原淳著
■脱線事故頻発の原因検証
事故・不祥事が相次ぐJR北海道が直面する構造的問題点を明らかにした緊急リポート。
まずは、11年5月の石勝線での特急列車火災、脱線事故を検証。乗務員が乗客の避難誘導を始めるまで事故発生から30分以上も要した事実を取り上げ、その原因として定時運行の維持が目的化していると指摘する。以降、頻発する事故や明らかになった線路の整備作業の不備などを論じながら、デリケートなディーゼルカーの使用がひとつの要因であることを解説。さらに、営業損失を経営安定基金の運用益で穴埋めしている経営体質にも言及。同社が抱える闇の部分を浮き彫りにしながら、それらの問題がすべての鉄道事業者にも当てはまると警告する。
(KADOKAWA 800円)