「抗がん剤が効く人、効かない人」長尾和宏著
抗がん剤に対し、「がんを治すことも延命もしない」「がん治療の苦痛の最大の原因」というマイナスイメージを持っている人は少なくないだろう。確かに、抗がん剤は毒にしかならないこともある。しかし、がんの種類や段階によっては非常に有効に働くものもあり、抗がん剤=毒と決めつけては、せっかくの治る機会を失うことにもなる。
日本人のがん死亡の第1位である肺がんの場合、小さな細胞が密集して広がり増殖が速い「小細胞がん」の初期には、抗がん剤が有効に働くという。放射線治療と併用して、「シスプラチン+VP16」という抗がん剤を用いると、がん細胞が半分以下に縮小するそうだ。
本書では、臓器別がんと抗がん剤の関係を分かりやすく解説していく。
(PHP研究所 760円)